小代焼中平窯 ~熊本の窯元~

やきもの日記 ~日々作陶の巻~

コツコツ木灰作り(^^)

木灰作り!
釉薬の原料にします(^^)

釉薬とは陶磁器の表面を覆うガラス質のことで、単純なものは木灰+粘土(もしくは石の粉)だけで釉薬になります。

写真の灰は様々な種類の木が入っていて、どうなるかは実験しないと分かりません。
今からどんな釉薬になるか楽しみです!(^^)!

小代焼中平窯では釉薬の原料を自分で作る場合と業者さんから買う場合、どちらもあります。
ただ、どちらにしても釉薬の調合はすべて自分でやっています。

木灰から作るのは効率悪いですが、私が楽しいからやっている感じです!

作り手によりますが、業者さんが調合した釉薬を使う方もいます。
私としてはどの方法を選んでも、結果的に良い作品になればそれで良いと思っています(^^)
人によっていろいろな作り方があっていいのです。

たまに「天然の地元の原料だけを使わないとダメ!」とおっしゃる方もいるのですが、
それは「天然の魚なら、どんな魚でも養殖より美味いはず!」と思い込み、養殖魚を食べようともしないことに似ている気がします。

2020年12月1日(火) 西川智成
自家製木灰
ドラム缶を利用する

伝説上の生き物たち

今月に入り、伝説上の生き物をモチーフに小さな作品を制作しました!(^^)!

小代焼中平窯にお越しいただいた方は分かると思いますが、以前より様々な生き物をモチーフにした作品を制作していました。
これらは小代焼であることはあまり意識せずに、私が個人的に制作している作品群です。
(中には小代焼的な技法を使ったものもあります…!)

そして今回
「伝説上の生き物は情緒みたいなモノを表現しやすいし、重くもなりすぎないんじゃないかな?」
と思い、制作に踏み切りました!(^^)!

私自身、どんな展開をするか予想しきれていませんが、焼き上がりましたら、また報告するつもりです(^^)

2020年11月19日(木) 西川智成
ユニコーン
腰掛けるミノタウロス
考えるドラゴン

新・釉薬 開発中!!

先月の登り窯&ガス窯で、いくつか新しい釉薬の実験を行いました!
あまり小代焼らしい釉薬とは言えませんが、今回はその結果報告です(^^)
 

①梅花皮釉 藁灰入り
釉薬が縮れた様子を梅花皮(カイラギ)と呼びます。
一番有名なのは井戸茶碗という高麗茶碗の一種です。

実は今年の夏から実験している釉薬の一つです。
正直に言いますと、当初予定していた梅花皮釉とは別物になりました(-_-;)

しかし、時間を置いて考えてみると、この「たっぷりと釉薬が掛かった梅花皮」もなかなか面白いのでは?と思えてきました(^^)
この方向はこの方向で実験を続けようかと考えています。


②梅花皮釉 藁灰なし
今回はちょっとだけ釉薬が濃かったです(^^;
まあ記録は取っているので、あと2~3回焼くと調整できるのではと思います。

ちなみに梅花皮釉としては、こちらの方が当初の想定に近いです。
また、窯詰めがかなり重要な釉薬ではないかとにらんでいます(^^)


③新・透明釉
もともと透明釉は使用していたのですが、この釉薬はちょっと「トロッ」とした質感で、かなり好みです!(^^)!
もともとの透明釉は洋食器系に、この新・透明釉は和食器系に と使い分けをしていくつもりです。

藁灰釉より低い温度でとけるので、白小代&青小代を焼くのに都合の悪い場所で活用しようかと思っています!


2020年11月16日(月) 西川智成
梅花皮釉 藁灰入り
梅花皮釉 藁灰なし
新・透明釉

登り窯 焚きました!!

先月は窯焚きの月で素焼きを含め4回窯焚きしました!
そして登り窯も焚きましたが、過去最高の焼き上がりでした!(^^)!

前回は「計画通りの窯」でしたが、より精度を上げることができました。
4月の窯焚きでは釉薬の掛け方・窯詰めに課題を見つけましたが、概ねクリアできた感じです。

青小代は変化の多い釉薬ですので、毎回良く焼けるとは限りませんが、次回も更なる精度向上を目指していきます。

また、今回は新しい釉薬の実験も行いました(^^)
その中でも今後の展開が期待できるのは梅花皮釉と新・透明釉です。
それぞれの詳しいことは別の機会に書こうと思います。

次の登り窯の予定は来年2021年上旬の予定です。
今月から少しづつ作品制作や薪の準備などを進めていきます!(^^)!

2020年11月6日(金) 西川智成
キラキラと光る燠
2番目の部屋の最高温度

手作り小窯 結果報告!

小代焼中平窯では開窯当初より登り窯とガス窯を使い、小代焼を制作してきました。

それらの窯は仕事用にキッチリと計画を立てて焚くのですが、自由に遊びで焚く薪窯が欲しいと思い、今年の夏からコツコツとレンガを積み上げてきました!(^^)!

ついに先月、この小窯を焚いてみました!
結果から言うと失敗でしたが、1個だけ鈍い金属光沢をもつ黒釉が取れました!


温度を上げるのがなかなか難しかったのですが、古墳時代の人々が原始的な窯でどうにかこうにか須恵器を焼いた苦労を追体験しているようで、なかなか面白い経験でした。


現在はいくつか改造案が浮かんでいるので、時間のある時にでも少しずつ改造して遊ぼうと思います(^^)

2020年11月2日(月) 西川智成
ギャラリー裏に作った小窯
小窯で焼いた徳利

今月は窯焚き!(^^)! 藁灰釉のお話

今月末~来月頭の『小代焼中平窯 秋の展示会』へ向けてコツコツと釉薬掛けをしています!
今回はそんな釉薬の一つ『藁灰釉』についてお話しします(^^)

『藁灰釉』は名前の通り燃やした藁(わら)の灰を原料の一部としており、真っ黒でタールのような見た目です。
しかしこれを焼くと美しい青や白、黄色となります!

これらは一般的に 青小代、白小代、黄小代と呼ばれます。
他地域では斑釉や藁白釉とも呼ばれ、唐津焼で見られる斑唐津や朝鮮唐津と同系統の釉薬です。

小代焼は鉄釉など別の釉薬も使用しますが、なんと言ってもこの『藁灰釉』抜きには小代焼を語れないほど代表的な釉薬です。
また、この『藁灰釉』を使用した流し掛けという技法も小代焼の特徴の一つです。

今月は登り窯&ガス窯を焼く予定ですので、良い青小代、白小代が焼けるよう頑張っていきます!(^^)!

2020年10月11日(日) 西川智成
青小代
白小代
藁灰釉

新たな釉薬 実験中です!(^^)!

最近、新しい釉薬の実験を始めました(^^)

梅花皮(かいらぎ、梅華皮とも)と呼ばれる、縮れのでる釉薬です。
井戸茶碗という高麗茶碗の高台周辺に見られるものが一番有名です。

この釉薬、正直言うと あまり小代焼らしさはありません…(^^;
やはり藁灰釉の白~青、流し掛けが小代焼としての特徴が表れていると思います。

「でも、やってみたくなったからしょうがないよね(^^;(笑)」
という感じで実験中です!

とりあえず梅花皮は出たのですが、土との相性、釉薬の濃度などなど 課題は多いです。
そして細かい貫入(釉薬と釉薬の隙間)を入れたいのですが、それも上手いこといっていません。

もう少し実験を繰り返し、形になってきたら改めて報告しようと思っています(^^)

2020年9月9日(金) 西川智成
梅花皮釉テストピース
梅花皮釉テストピース

小さな薪窯!

熊本では梅雨が明け、なかなか厳しい暑さです(^^;

そんな中、以前からやってみたかった計画が動き出しました!
それは「小さな薪窯作り」です。

展示場とロクロ場の間のスペースにコツコツとレンガを積んでいます。
実は3~4年前は同じ場所で野焼きをしていました。
野焼きでは敷地内から粘土を掘り、裏山の竹で焼きましたが なかなか良い結果を得ることができました。

そこには「自分の力だけ、自分の土地の中だけで焼き物を作ってみたい!」という想いがあったためですが、今回はその発展形のような感じです。

初めてですので試行錯誤の連続だとは思いますが、そこも含めて記録に残していきたいな~と考えています!(^^)!
引き続きホームページやインスタグラムで窯の様子を紹介していきますので、よろしくお願いします!

2020年7月31日 西川智成
レンガを一段積んだ様子
レンガを数段積むとだいぶ形になってきます

青小代 ~焼成方法の確立への道~

6月末~7月頭に2回続けてガス窯の本焼きをしました!
釉薬、窯詰め、窯焚きを担当し始めて4年ほど経ちますがようやく一つの形になってきました!(^^)!

私は登り窯・ガス窯どちらを焚く時も「青小代の発色」を基準としてデータを溜めてきました。
というのも中平窯で使用している釉薬の中で最も繊細で変化の多い釉薬が青小代だからです。
言い方を変えれば青小代さえしっかりと発色していれば、その他の色もきちんと発色しています。

ここ数回のガス窯では発色も安定しており、安心して焚くことができます。
登り窯もあと数回データをとれば一段落するのではないかと思います。

実は先日の窯焚きで新しい青小代の実験をしたのですが、深みのある美しい発色を得ることができました。
次の窯で実用化予定なのですが、青小代のレベルがまた上がるのではという期待で 今からワクワクしています(^^)

2020年7月10日(金) 西川智成
青小代小鉢 やや緑がかった発色
青小代小鉢 爽やかな発色
ガス窯の窯詰め風景

土堀りをしました!

一昨日、原料の土を掘る作業をしました!
小代焼中平窯では土を掘ることからすべての工程が始まります

幸運なことに敷地内(登り窯の裏手)から土が出てくるので、土を長い距離移動させなくてもよいというのは大きな利点です。

土堀りそのものは大した作業ではありませんが、竹の根との戦いが大変です(-_-;)
根っこの除去にエネルギーの8割くらい使っている気がします…。

2枚目の写真は意図せず掘り当てたタケノコです。
タケノコの根元ってこんな感じになってるのか~と感心しました(^^)


ちなみに今回掘り出した土はすぐに使うわけではありません。
一度カラカラに乾燥させ、水に溶かして竹の根や砂を取り除きます。

今年の夏~秋に使う粘土はすでに準備しているので、秋の終わり~冬に使う分の土を今回掘り出しました。
数か月先~半年先を見越して作業を進めます。


陶芸と聞くとロクロのイメージが強いかもしれませんが、人目に触れない作業も意外と多いです…!
この「やきもの日記」を通して作陶の裏側や背景を紹介していければ、と思っています(^^)

2020年6月3日(水) 西川智成
原土を掘る 
偶然掘り当てたタケノコ

土作り

今日の午前中は粘土作りをしていました(^^)

掘ってきた粘土を水で漉して砂や木の根を取り除き、布に上げて脱水する作業です。
この後、さらに素焼きの鉢に粘土を盛って乾燥させます。

お弟子さんや従業員の方がいればもっと効率的なんでしょうが、小代焼中平窯では私と父の二人で制作しているために「土作り」だけで数か月~半年ほどの時間が掛かります。
人目に触れる作業ではありませんが、焼き物を作る上でとても大切な工程です。

ちなみにこの粘土は素地だけでなく、釉薬の原料としても使用しています!
小代焼中平窯では「灰釉」「青小代」「鉄釉」などにこの粘土を原料として混ぜています。

釉薬(陶器の表面のガラス質)は難しく考えるやり方もありますが、私は粘土、長石、木灰もしくは藁灰、長石、木灰などの意外と単純な調合をベースにして、あとは焼き方で発色をコントロールする方法を選んでいます。
釉薬はゼーゲル式や三角座標で考えるやり方もあり、学生時代に勉強しましたがあまり覚えられず…^^;
きちんと計算できる方は尊敬します(笑)

ちょっと脱線しましたが、とにかく土作りは素地にも釉薬にもかかわる大切な作業だというお話でした。
なんだか上手くまとまらず すみません(-_-;)

これから成形の作業に入るので、そのあたりは機会を見つけて紹介します!

2020年5月12日(火) 西川智成
脱水中の粘土
「灰釉」 ↑の粘土を原料の一つとして使用している
「青小代」 ↑の粘土を原料の一つとして使用している
「鉄釉」 ↑の粘土を原料の一つとして使用している

登り窯 結果報告!

登り窯を焚き終えて2週間がたち、焼き上がりの検証も終わりました(^^)

前回の文章で「計画通りの窯と書きましたが、その中にも新しい発見をすることができました。


私が釉薬と本焼きの担当になってから「青小代の発色」が一つの課題でしたが、今回の窯でとりあえずは一段落したかなと思います。
今後はより深みのある発色を目指していきます!


2020年3月22日に粗い土で茶碗を作ったと書いていましたが、その茶碗もいろいろと焼き上がりました。

土の素材感やエネルギーを強く感じて窯出し中に一番ワクワクし、今後に可能性を感じているのはこの茶碗たちでした!


今後は土の粗さをもう少し微調整し、大きな作品にも展開していきます。
新しい釉薬の実験も始めたので実用化できれば、またここで報告します!(^^)!

2020年4月25日(土) 西川智成
青小代盃
青小代八寸鉢
灰釉茶碗

登り窯を焚き終えて

2020年4月11日(土)の夕方に 登り窯に火を入れ、12日(日)から13日(月)へと日付が変わる頃に焚き終えました。
今回は登り窯について思いつくままに書いていきます。

専門的すぎて「誰のために書いてるの(・・?」という内容かもしれませんが…(^^;


数日前に焚き終えた窯は、一言でいえば「計画通り」の窯でした。
以前は登り窯には温度計を入れずに焚いていましたが、四年前から温度計を入れてデータをためてきました。
昨年秋の窯焚きでかなり手ごたえを感じていたので、今回の窯焚きは「前回の再現&微調整」という計画を立て本番に臨みました。

火入れから31時間、トラブルもなく想定通りの昇温ペースで無事に焼終わり「登り窯をコントロールできた!」という実感があります。


登り窯の話は精神世界の話になりがちで、実は少々違和感を持っていました。
確かにガス窯や電気窯と比較すると、不安定な要素も多いですが 人間がコントロールすることがそこまで難しい窯でもないと思っています。


明日、明後日には窯出しができるので、とてもワクワクしながら結果を待っています(^^)
あと数回データをためればより精度を上げていけると思っています!

では、今回はこのへんで。
窯から出し後の結果も、追って掲載する予定です。

2020年4月15日(水) 西川智成
登り窯から噴き出す炎
色見
焼成グラフ

伝統技法 『流し掛け』

3月末に登り窯を焼くつもりでしたが諸事情で予定が伸びて、昨日から登り窯に作品を詰めています(^^;


今回は小代焼の伝統技法である「流し掛け」について少し解説していこうと思います。
小代焼の流し掛けは地釉(灰釉、鉄釉、薄めの藁灰釉などなど)を掛けた上から、濃い目の藁灰釉を柄杓などで流し掛ける技法です。

この技法は即興性が強く、自由でのびのびとした印象を作品に与えます。

逆に言うと「同じ模様で100個作って!」という注文が来るとなかなか難しいですが、「一点一点、作品に個性が出ること」が最大の魅力かなと思っています(^^)

小代焼以外にも藁灰釉や流し掛けを使用する産地はありますが、
特にこの釉薬や技法を多用し、且つ400年間ほとんど変わらずに受け継がれているというのは小代焼の大きな特徴です。


人によって好みが分かれるところもありますが、私自身はこの技法に大変魅力を感じており、積極的に作品に取り入れていこうと考えています。

今月中には新しい作品が焼き上がりますので、当ホームページやインスタグラムで紹介する予定です!(^^)!

2020年4月6日(月) 西川智成
今回登り窯で焼く八寸鉢
流し掛けを施した鉢・皿

原土で茶碗作ってみました!

粗い粘土で茶碗を制作しました!(^^)!

普通の食器用の粘土は水簸(粘土を水で漉して不純物を取り除く作業)をしています。
今回は敢えてその作業をせずに砂、小石、木の根などが含まれたままの粘土でロクロをしてみました。

現時点では土の素材感やエネルギーを感じる仕上がりとなりました。
今月末の窯焚きで釉薬や温度などを数パターン試してみたいと思い、ワクワクしております(^^)

実験が成功したらいろいろな作品に展開していこうと思っています!
結果が出ましたら、またHP等で紹介するつもりです。

2020年3月22日(日) 西川智成
今回作った茶碗
去年作ったぐい呑み

黒釉について

今日はガス窯の本焼きをしながら、この文章を書いています(^^)

小代焼中平窯で使用している釉薬(表面のガラス質)はすべて中平窯で調合したものを使っていて、今回はその中の黒釉のお話です。

比較的新しい釉薬である黒釉は約3年間 実験を繰り返して完成させました!

この黒釉の場合、登り窯で焼くよりもガス窯で焼いたほうが深みや高級感のある発色をします。
“還元焼成”といって酸欠状態で焼き上げるのですが、黒釉は窯の中で最も還元の強い場所で焼いています。

同じ調合(中平窯の場合)であっても、登り窯で焼いたりガス窯の還元の弱いところで焼いたりすると「間の抜けたような」発色をします。
まあ良いほうに言い換えれば「素朴で温かい」発色とも言えますが…^^;

逆に登り窯でしか使わない釉薬もあるので、それはまた別の機会に紹介します。

2020年2月22日(土) 西川智成
黒釉マグカップ 焼成前
黒釉マグカップ 焼成後

窯焚き 2020年の目標

窯焚きの時には温度、時間、炎の様子の記録を付けるようにしています(^^)
ちなみに登り窯を焚く時はグラフも付けています。

記憶というものは曖昧なものです。
きちんと記録をつけていないと「あれ?前回どうだったっけ…?まぁいいか!」を続けて、同じ失敗を繰り返してしまいます^^;

昨年はとにかく青小代を発色させることを目標に実験をしていて、一定の成果を出すことができました。
そのため今年、2020年はガス窯で「登り窯で焼いた時の青小代の再現」を目標にして実験をしていきます!

まだどんな結果になるか未知数ですが、このホームページで少しづつ結果報告をしていこうと思っています。
どうぞ宜しくお願いします!(^^)!

2020年2月17日(月) 西川智成
ガス窯の記録

鉄釉 形になってきました!

先月の展示会に合わせて窯焚きをしました。
今回は7月に書いた文章の続きとなります。

今年の夏から実験していた鉄釉ですが、本格的に使用できるようになりました!

赤みの強い釉薬で、溜りの部分は濃い黒色になります。
よく見ると小さな粒がキラキラと光を反射し、変化の多い釉薬だなと感じています。

比較的主張の強い釉薬ですのであまり多用はしませんが、酒器・茶器・一部の食器あたりに使っていきます!(^^)!

鉄釉の実験が落ち着いたので、来年は灰釉や登り窯用の藁灰釉を実験していこうかと思っています。

2019年12月14日(土) 西川智成
鉄釉エスプレッソカップ
鉄釉茶碗

「薪はやっぱり松じゃなきゃ!」→「あれ?杉でも焼けた…!」

小代焼中平窯では開窯以来の30年弱の間、登り窯を焚くために松を使ってきました。
松は木材の中でも特に火力があり、火が伸びるためです。

実はこの松を準備する作業にはなかなか労力がいるのです…!
チェーンソーで丸太を切り、太い楔or斧を使って小割りするのですが、1990年代の忙しい時期には薪割りのための人手が必要でした。

登り窯を使っていると何かと「やっぱり松じゃなきゃね!」というお話をよく聞きます。


しかし、登り窯についていろいろと調べるうちに「ん?ひょっとしてウチの窯なら松じゃなくもていいんじゃない?」と思うようになり、2か月前の窯焚きでは完全に背板(杉材)のみで攻め焚きしてみました。
するとどうでしょう!立派に焼け、しかも発色も良いじゃないですか!

登り窯というのはそもそも熱効率がよく、しかも江戸時代の窯と比べるとコントロールしやすいように改良されています。(専門的な内容ですが江戸時代と違い、ロストルと煙突が備わっています。)

また中平窯で使っている登り窯はそこまで大きな窯ではないため、松ほど火が伸びる必要はありません。


製材所から購入する背板は松の丸太と比べて管理がしやすく整理・準備に労力がかかりません。(とはいってもガス窯を焚くよりはるかに大変ですが…^^;)
今まで薪の準備に費やしていた時間を使って 成形、釉掛け、展示などなど 別の作業に力を入れられるようになりました(^^)

薪を背板にすると作業時間が短縮されるので、今後は登り窯を焚く回数を増やそうと考えています!

※上記の内容は中平窯で使用している登り窯のお話です。窯の構造・規模・目指す焼き上がりが違えば、逆に「松じゃなきゃ焼けない」という場合もあります。
窯焚きの一例としてとらえていただけると幸いです。

2019年12月4日(水) 西川智成
背板(杉材)
中平窯で使っている斧
登り窯で焼成した青小代盃

温度計について ~登り窯~

今回は登り窯を焚くときの温度計のお話です。

かなり専門的な内容なので、興味のない方は読み飛ばしてください^^;

初めて薪窯を焚く方や、趣味で陶芸を始めて ある程度経験を積んだ方向けの内容かと思います。


中平窯では登り窯を焚く際
・熱電対(デジタル表示)
・ゼーゲルコーン
・色見
の3種類の道具を使って、温度の上がり方や焼け具合を判断しています。

それぞれ見るタイミングや どんな見方をするのかが違うので、この機会に解説します(^^)


大まかな流れは

熱電対(デジタル表示)で大まかな温度の上がり方を見て、1200℃前後まで温度が上がったらゼーゲルコーンを注意して見ながら焼く。
ゼーゲルコーンが倒れたら色見を窯から出して最終確認。
色見に掛けた釉薬が溶けていれば火を止め、溶けていなければ焼き続ける。

という感じです!(^^)!


熱電対(デジタル表示)
全体の様子を把握するために使います。あまり神経質にならずに、1時間ごとに温度の記録をつけて、どれくらいのペースで温度が上がっているかを確認します。

ゼーゲルコーン
中平窯では7番・8番を使用。瞬間の温度ではなく、合計の熱量が分かる道具です。例えば「一瞬だけ1300℃になってもゼーゲルコーンは倒れないが、1250℃を長時間キープしたら倒れた。」ということがあります。

色見
窯焚きの最終確認に使用します。そろそろ焼き終わりか というタイミングで窯から引き出して釉薬の溶け具合を見ます。2回以上確認する場合もあるので複数個窯に入れておくことをおススメします。


上記の内容はあくまで一例として読んでいただければと思います。

窯のサイズ、構造、陶磁器の種類、どのような焼き上がりにしたいかetc…
によって様々な焼き方があるかと思います。
私自身、いろいろと焼き方を試している最中ですが現時点での考えを書かせていただきました(^^)

2019年10月17日(木) 西川智成
焼成中の登り窯
窯焚きのために準備された薪

ボーメ比重計の話

なんだか釉薬の話にばっかり偏っていますが…今回も釉薬のお話です^^;


その中でもかなりマニアックな「ボーメ比重計」について説明します!

フランス人科学者で液体の密度測定の研究をしていたアントワーヌ・ボーメが名前の由来です。


使い方は釣りで使うウキの様な感じで釉薬に沈め、液面のメモリを読みます。

真水ではメモリが0になり、数字が大きくなるほど濃い釉薬になります。

写真1枚目は鉄釉を計った時の様子で、メモリは42強ということになります(^^)


釉薬はちょっとした厚みの違いで色が変わるため、ボーメ比重計は重宝します!

写真2枚目はどちらの皿も同じ鉄釉ですが、濃度の違いで黒~茶に変化するのです。


ちなみに窯元さんによって、感覚で濃度を調整するかボーメ比重計を使うかは分かれるところです。


父は感覚で調整するタイプで、私が釉薬の担当になってからボーメ比重計を使い始めました。

これは「絶対このやり方やるべき!」という事ではなくて、自分に合ったやり方を見つければいいかなと思います(^^)

2019年8月19日(月) 西川智成
鉄釉の濃度を計っている様子
上記の鉄釉 濃度が濃ければ黒、薄ければ茶になる

鉄釉 現在・実験中です!

梅雨が明けた今日この頃ですが、5日前に窯焚きをしました。

今回から久しぶりに釉薬のテストを再開したのですが、想定外の結果となりました!


艶消しの黒釉を作るつもりだったのですが、赤茶色に細かい黄色の線が入った釉薬になりました。

最初はどうしようか迷っていましたが、だんだんと「これって面白い釉薬なのでは…?」と思えてきました。


今後は濃度や還元の強弱をいろいろ試しながら、実用化を目指していきます!(^^)!

ちなみに強めの自然光で写真を撮ってしまいまして…実際はもう少し渋い色味をしています^^;

2019年7月29日(月) 西川智成
鉄釉のテストピース 細部
鉄釉のテストピース

釉薬カッチカチ問題 ベントナイトで解決!

中平窯のある熊本県荒尾市は遅めの梅雨に入り、しとしとと雨が降っています。

そんな中、今月半ばの展示会用の窯焚きのために釉薬掛けをしています。


釉薬掛けをする時に毎回直面するのは“放置した釉薬が沈殿してカッチカチになる。”という問題です^^;

経験した方は分かると思いますが、それはそれはカッチカチなのです…。

溶くのに時間は掛かるし、手は痛いし…。


以前は市販の沈殿止め(たしかマグネシウム)を使っていましたが、正直効果を実感できませんでした。

特に小代焼で頻繁に使用する「藁灰釉」は沈殿すると硬くなります。


そんな中、一番沈殿止めの効果を実感したのは「ベントナイト」と呼ばれる粘土を釉薬に混ぜることです。

藁灰釉に3~4%混ぜるだけで驚くほど効果が出ます!


それプラス 検証はしていませんがベントナイトを混ぜることで、釉薬に粘りが出るように感じます。

この粘りが小代焼特有の「流し掛け」を施しやすくしてくれます(^^)


以上!一石二鳥のベントナイトのお話でした!


2019年7月2日(火) 西川智成
藁灰釉 焼くと白~青になります。
藁灰釉を使用した作品

還元焼成って難しい…!

実家でガス窯焼成を任せられて約3年間、「還元焼成」なるものにずっっと頭を抱えていました。


ちなみに還元焼成とは、ざっくり言うと“酸欠気味の状態で焼く”という作業です。

小代焼の釉薬に「青小代」と呼ばれる発色があり、その色を出すためには還元焼成をする必要があるのです。


当初は「まあ、とにかく酸欠にすれば青が出るでしょ(^^)」と気軽に考えていたものの、全く青くならない…。
なんというか…地味な緑色にしかならない…。


困った私は原料を微調整してテストを繰り返すことを続けていました。

ちなみに父は“長年の勘”で原料を量らずに調合するというスタイルを20年以上続けたため、まったくデータがありません(-_-;)


実家にある小代焼関連の本をすべて読み返すと、すべての本に「強還元」や「強い還元炎」と書かれていました。

そこで私は「とにかく還元を強くするべし!」と考え何度も窯焚きに臨みますが、一向に色は良くならず…。


ガス窯を試行錯誤している間に登り窯(薪を使う窯)の窯焚きも何度か経験しますが、そこであることに気付きます。


「調合は同じ釉薬でも、薪で焼く登り窯ではちゃんと青く発色している!登り窯とガス窯の還元焼成はどう違うんだ…?」


そこで思い至ったのは“登り窯はガス窯ほど強い還元にならない。還元と酸化の間を行き来しながら昇温している。”ということです。

同時期にあまり強い還元にしない方が青が良く出るという話も聞いていたため、さっそく次の窯焚きから試してみました。


そうすると、出ました…!青小代!100点満点とはいきませんが、念願の青小代が発色しました!

どうやら本の情報や先入観に邪魔されて、還元を強くしすぎていたようです。


当初の想定より、青小代を発色させるための還元は繊細な調整が必要であることが分かりました。

逆に、それまで非常に神経を使っていた原料の微調整は大きな問題ではなく、だいたいの調合が合っていれば、あとは焼き方次第だということも分かりました。



試行錯誤は続きますが、今後に希望の持てる窯焚きとなりました!


2019年6月29日(土) 西川智成
明方に撮ったガス窯
青小代のビールカップ

お問い合わせ

営業時間 9:30~17:00

定休日   水曜日、木曜日

電話番号  0968-68-7326

住所 熊本県荒尾市樺1192

 

『小代焼 中平窯(しょうだいやき なかでらがま)』は熊本県荒尾市の窯元です。
小代焼の制作から展示・販売まで行っております。

営業時間:9:30~17:00
定休日:水曜日、木曜日
電話:0968-68-7326
住所:熊本県荒尾市樺1192

窯元代表:西川講生(にしかわこうせい)

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