小代焼中平窯 ~熊本の窯元~

やきもの日記 ~日々作陶の巻~

原土で茶碗作ってみました!

粗い粘土で茶碗を制作しました!(^^)!

普通の食器用の粘土は水簸(粘土を水で漉して不純物を取り除く作業)をしています。
今回は敢えてその作業をせずに砂、小石、木の根などが含まれたままの粘土でロクロをしてみました。

現時点では土の素材感やエネルギーを感じる仕上がりとなりました。
今月末の窯焚きで釉薬や温度などを数パターン試してみたいと思い、ワクワクしております(^^)

実験が成功したらいろいろな作品に展開していこうと思っています!
結果が出ましたら、またHP等で紹介するつもりです。

2020年3月22日(日) 西川智成
今回作った茶碗
去年作ったぐい呑み

黒釉について

今日はガス窯の本焼きをしながら、この文章を書いています(^^)

小代焼中平窯で使用している釉薬(表面のガラス質)はすべて中平窯で調合したものを使っていて、今回はその中の黒釉のお話です。

比較的新しい釉薬である黒釉は約3年間 実験を繰り返して完成させました!

この黒釉の場合、登り窯で焼くよりもガス窯で焼いたほうが深みや高級感のある発色をします。
“還元焼成”といって酸欠状態で焼き上げるのですが、黒釉は窯の中で最も還元の強い場所で焼いています。

同じ調合(中平窯の場合)であっても、登り窯で焼いたりガス窯の還元の弱いところで焼いたりすると「間の抜けたような」発色をします。
まあ良いほうに言い換えれば「素朴で温かい」発色とも言えますが…^^;

逆に登り窯でしか使わない釉薬もあるので、それはまた別の機会に紹介します。

2020年2月22日(土) 西川智成
黒釉マグカップ 焼成前
黒釉マグカップ 焼成後

窯焚き 2020年の目標

窯焚きの時には温度、時間、炎の様子の記録を付けるようにしています(^^)
ちなみに登り窯を焚く時はグラフも付けています。

記憶というものは曖昧なものです。
きちんと記録をつけていないと「あれ?前回どうだったっけ…?まぁいいか!」を続けて、同じ失敗を繰り返してしまいます^^;

昨年はとにかく青小代を発色させることを目標に実験をしていて、一定の成果を出すことができました。
そのため今年、2020年はガス窯で「登り窯で焼いた時の青小代の再現」を目標にして実験をしていきます!

まだどんな結果になるか未知数ですが、このホームページで少しづつ結果報告をしていこうと思っています。
どうぞ宜しくお願いします!(^^)!

2020年2月17日(月) 西川智成
ガス窯の記録

鉄釉 形になってきました!

先月の展示会に合わせて窯焚きをしました。
今回は7月に書いた文章の続きとなります。

今年の夏から実験していた鉄釉ですが、本格的に使用できるようになりました!

赤みの強い釉薬で、溜りの部分は濃い黒色になります。
よく見ると小さな粒がキラキラと光を反射し、変化の多い釉薬だなと感じています。

比較的主張の強い釉薬ですのであまり多用はしませんが、酒器・茶器・一部の食器あたりに使っていきます!(^^)!

鉄釉の実験が落ち着いたので、来年は灰釉や登り窯用の藁灰釉を実験していこうかと思っています。

2019年12月14日(土) 西川智成
鉄釉エスプレッソカップ
鉄釉茶碗

「薪はやっぱり松じゃなきゃ!」→「あれ?杉でも焼けた…!」

小代焼中平窯では開窯以来の30年弱の間、登り窯を焚くために松を使ってきました。
松は木材の中でも特に火力があり、火が伸びるためです。

実はこの松を準備する作業にはなかなか労力がいるのです…!
チェーンソーで丸太を切り、太い楔or斧を使って小割りするのですが、1990年代の忙しい時期には薪割りのための人手が必要でした。

登り窯を使っていると何かと「やっぱり松じゃなきゃね!」というお話をよく聞きます。


しかし、登り窯についていろいろと調べるうちに「ん?ひょっとしてウチの窯なら松じゃなくもていいんじゃない?」と思うようになり、2か月前の窯焚きでは完全に背板(杉材)のみで攻め焚きしてみました。
するとどうでしょう!立派に焼け、しかも発色も良いじゃないですか!

登り窯というのはそもそも熱効率がよく、しかも江戸時代の窯と比べるとコントロールしやすいように改良されています。(専門的な内容ですが江戸時代と違い、ロストルと煙突が備わっています。)

また中平窯で使っている登り窯はそこまで大きな窯ではないため、松ほど火が伸びる必要はありません。


製材所から購入する背板は松の丸太と比べて管理がしやすく整理・準備に労力がかかりません。(とはいってもガス窯を焚くよりはるかに大変ですが…^^;)
今まで薪の準備に費やしていた時間を使って 成形、釉掛け、展示などなど 別の作業に力を入れられるようになりました(^^)

薪を背板にすると作業時間が短縮されるので、今後は登り窯を焚く回数を増やそうと考えています!

※上記の内容は中平窯で使用している登り窯のお話です。窯の構造・規模・目指す焼き上がりが違えば、逆に「松じゃなきゃ焼けない」という場合もあります。
窯焚きの一例としてとらえていただけると幸いです。

2019年12月4日(水) 西川智成
背板(杉材)
中平窯で使っている斧
登り窯で焼成した青小代盃

温度計について ~登り窯~

今回は登り窯を焚くときの温度計のお話です。

かなり専門的な内容なので、興味のない方は読み飛ばしてください^^;

初めて薪窯を焚く方や、趣味で陶芸を始めて ある程度経験を積んだ方向けの内容かと思います。


中平窯では登り窯を焚く際
・熱電対(デジタル表示)
・ゼーゲルコーン
・色見
の3種類の道具を使って、温度の上がり方や焼け具合を判断しています。

それぞれ見るタイミングや どんな見方をするのかが違うので、この機会に解説します(^^)


大まかな流れは

熱電対(デジタル表示)で大まかな温度の上がり方を見て、1200℃前後まで温度が上がったらゼーゲルコーンを注意して見ながら焼く。
ゼーゲルコーンが倒れたら色見を窯から出して最終確認。
色見に掛けた釉薬が溶けていれば火を止め、溶けていなければ焼き続ける。

という感じです!(^^)!


熱電対(デジタル表示)
全体の様子を把握するために使います。あまり神経質にならずに、1時間ごとに温度の記録をつけて、どれくらいのペースで温度が上がっているかを確認します。

ゼーゲルコーン
中平窯では7番・8番を使用。瞬間の温度ではなく、合計の熱量が分かる道具です。例えば「一瞬だけ1300℃になってもゼーゲルコーンは倒れないが、1250℃を長時間キープしたら倒れた。」ということがあります。

色見
窯焚きの最終確認に使用します。そろそろ焼き終わりか というタイミングで窯から引き出して釉薬の溶け具合を見ます。2回以上確認する場合もあるので複数個窯に入れておくことをおススメします。


上記の内容はあくまで一例として読んでいただければと思います。

窯のサイズ、構造、陶磁器の種類、どのような焼き上がりにしたいかetc…
によって様々な焼き方があるかと思います。
私自身、いろいろと焼き方を試している最中ですが現時点での考えを書かせていただきました(^^)

2019年10月17日(木) 西川智成
焼成中の登り窯
窯焚きのために準備された薪

ボーメ比重計の話

なんだか釉薬の話にばっかり偏っていますが…今回も釉薬のお話です^^;


その中でもかなりマニアックな「ボーメ比重計」について説明します!

フランス人科学者で液体の密度測定の研究をしていたアントワーヌ・ボーメが名前の由来です。


使い方は釣りで使うウキの様な感じで釉薬に沈め、液面のメモリを読みます。

真水ではメモリが0になり、数字が大きくなるほど濃い釉薬になります。

写真1枚目は鉄釉を計った時の様子で、メモリは42強ということになります(^^)


釉薬はちょっとした厚みの違いで色が変わるため、ボーメ比重計は重宝します!

写真2枚目はどちらの皿も同じ鉄釉ですが、濃度の違いで黒~茶に変化するのです。


ちなみに窯元さんによって、感覚で濃度を調整するかボーメ比重計を使うかは分かれるところです。


父は感覚で調整するタイプで、私が釉薬の担当になってからボーメ比重計を使い始めました。

これは「絶対このやり方やるべき!」という事ではなくて、自分に合ったやり方を見つければいいかなと思います(^^)

2019年8月19日(月) 西川智成
鉄釉の濃度を計っている様子
上記の鉄釉 濃度が濃ければ黒、薄ければ茶になる

鉄釉 現在・実験中です!

梅雨が明けた今日この頃ですが、5日前に窯焚きをしました。

今回から久しぶりに釉薬のテストを再開したのですが、想定外の結果となりました!


艶消しの黒釉を作るつもりだったのですが、赤茶色に細かい黄色の線が入った釉薬になりました。

最初はどうしようか迷っていましたが、だんだんと「これって面白い釉薬なのでは…?」と思えてきました。


今後は濃度や還元の強弱をいろいろ試しながら、実用化を目指していきます!(^^)!

ちなみに強めの自然光で写真を撮ってしまいまして…実際はもう少し渋い色味をしています^^;

2019年7月29日(月) 西川智成
鉄釉のテストピース 細部
鉄釉のテストピース

釉薬カッチカチ問題 ベントナイトで解決!

中平窯のある熊本県荒尾市は遅めの梅雨に入り、しとしとと雨が降っています。

そんな中、今月半ばの展示会用の窯焚きのために釉薬掛けをしています。


釉薬掛けをする時に毎回直面するのは“放置した釉薬が沈殿してカッチカチになる。”という問題です^^;

経験した方は分かると思いますが、それはそれはカッチカチなのです…。

溶くのに時間は掛かるし、手は痛いし…。


以前は市販の沈殿止め(たしかマグネシウム)を使っていましたが、正直効果を実感できませんでした。

特に小代焼で頻繁に使用する「藁灰釉」は沈殿すると硬くなります。


そんな中、一番沈殿止めの効果を実感したのは「ベントナイト」と呼ばれる粘土を釉薬に混ぜることです。

藁灰釉に3~4%混ぜるだけで驚くほど効果が出ます!


それプラス 検証はしていませんがベントナイトを混ぜることで、釉薬に粘りが出るように感じます。

この粘りが小代焼特有の「流し掛け」を施しやすくしてくれます(^^)


以上!一石二鳥のベントナイトのお話でした!


2019年7月2日(火) 西川智成
藁灰釉 焼くと白~青になります。
藁灰釉を使用した作品

還元焼成って難しい…!

実家でガス窯焼成を任せられて約3年間、「還元焼成」なるものにずっっと頭を抱えていました。


ちなみに還元焼成とは、ざっくり言うと“酸欠気味の状態で焼く”という作業です。

小代焼の釉薬に「青小代」と呼ばれる発色があり、その色を出すためには還元焼成をする必要があるのです。


当初は「まあ、とにかく酸欠にすれば青が出るでしょ(^^)」と気軽に考えていたものの、全く青くならない…。
なんというか…地味な緑色にしかならない…。


困った私は原料を微調整してテストを繰り返すことを続けていました。

ちなみに父は“長年の勘”で原料を量らずに調合するというスタイルを20年以上続けたため、まったくデータがありません(-_-;)


実家にある小代焼関連の本をすべて読み返すと、すべての本に「強還元」や「強い還元炎」と書かれていました。

そこで私は「とにかく還元を強くするべし!」と考え何度も窯焚きに臨みますが、一向に色は良くならず…。


ガス窯を試行錯誤している間に登り窯(薪を使う窯)の窯焚きも何度か経験しますが、そこであることに気付きます。


「調合は同じ釉薬でも、薪で焼く登り窯ではちゃんと青く発色している!登り窯とガス窯の還元焼成はどう違うんだ…?」


そこで思い至ったのは“登り窯はガス窯ほど強い還元にならない。還元と酸化の間を行き来しながら昇温している。”ということです。

同時期にあまり強い還元にしない方が青が良く出るという話も聞いていたため、さっそく次の窯焚きから試してみました。


そうすると、出ました…!青小代!100点満点とはいきませんが、念願の青小代が発色しました!

どうやら本の情報や先入観に邪魔されて、還元を強くしすぎていたようです。


当初の想定より、青小代を発色させるための還元は繊細な調整が必要であることが分かりました。

逆に、それまで非常に神経を使っていた原料の微調整は大きな問題ではなく、だいたいの調合が合っていれば、あとは焼き方次第だということも分かりました。



試行錯誤は続きますが、今後に希望の持てる窯焚きとなりました!


2019年6月29日(土) 西川智成
明方に撮ったガス窯
青小代のビールカップ

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営業時間 10:00~17:00

定休日   水曜日、木曜日

電話番号  0968-68-7326

住所 熊本県荒尾市樺1192

 

『小代焼 中平窯(しょうだいやき なかでらがま)』は熊本県荒尾市の窯元です。
小代焼の制作から展示・販売まで行っております。

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窯元代表:西川講生(にしかわこうせい)

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